定年後、職業訓練校で溶接を学んでから、ものづくりの方法をより広く身につけたくて、六本木にあるTechShopというDIYの協同作業場に通った。

ここにはフライス盤や旋盤、3Dプリンターなど、ものづくりの道具がたくさんあって、会員になると使わせてくれる。

行ってみて驚いたのがフライス盤や旋盤、ワイヤーカット放電加工機など金属加工の工作機械の多くが中国製だったことである。

工作機械はものづくりの基盤で、アメリカや日本がとても強い分野だった。

消費者向けの安い商品だけでなく、こうした基盤となるモノまで、中国製品が席巻しつつあるのは脅威に感じる。

もっとも、TechShopにあるのは一般DIY愛好者向けの安い工作機械ではあるが。

また、使いやすさなど工作機械としてのレベルは決して高くはない。

それでも、今後、工作機械の分野でも中国が進出を強めることは確かだろう。

日本の工作機械メーカーも、ハイテクばかりに目を向けないで、素人でも手が届くDIY向けを出して欲しい。

そうした裾野が日本の今後のものづくりを支えるのだから。

アメリカのものづくりの強さはAppleをはじめ、ガレージでのDIYに由来するところが大きいのだから。