気象キャスターの中には気象特有の用語をそのまま放送で使ってしまう人がいる。気象用語は一般の用語を使っていても、意味や使う環境が一般の用語と違うことがある。放送に携わる人は視聴者に誤解や違和感を持たれるような言葉遣いをすべきではないと思う。

【しっかりした雨】
「しっかりした」は褒め言葉なので一般社会では雨には使わない。激しくも弱くもない雨のことだが、形容詞なしの「雨が降る」で十分伝わる。

【東日本・西日本】
「東日本」や「西日本」の指すエリアは分野によってかなり異なる。例えば、JR東日本の運行エリアと気象用語の「東日本」と比べてみればわかる。JR東日本には東北が入るが、気象用語の東日本には入らない。北陸地方の扱いもJRが西日本なのに対して、気象では東日本。そのほかNTTや電力会社なども、それぞれの区分を持っている。一般視聴者で「東日本」や「西日本」がどこを指すのか、具体的にわかる人は少ない。そうした用語を使うべきではない。東北地方や近畿地方、関東地方など誤解の少ない用語を組み合わせれば、あえて東日本、西日本の用語を使わないで済む。

【大気の状態が不安定】
気象に特に興味のある人以外、この言葉を単独で使われてもどういう状態を指すのか理解できないだろう。「冷たくて重い空気が日本の上空に入ってくるため、大気の状態が不安定になって、雨が降りやすくなるでしょう。」などと言葉を補ってやる必要がある。

【天気は周期的に変わる】
天気はいつも周期的に変わる。問題はそのサイクルだ。周期を示さない限り、この言葉に情報的な価値はない。気象用語で「天気が周期的に変わる」とは「3、4日ごとに晴れと雨の日が入れ替わること」である。

ちなみに気象庁でも長年の国民からの反応をもとに気象に関する用語の注意点をまとめて以下で公表している。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/mokuji.html