天気予報の技術は大きく考えると、観測と通信、コンピュータ(理論、モデル計算)に依存している。温度計や気圧計が発明されることによって気象を科学的にとらえることが可能になったし、その観測値を電報で交換することによって天気図による解析が可能になった。コンピュータによる数値予報は予報官による経験を普遍的な技術に変えた。
しかし、ここ数十年の気象庁は数値予報にしか目が向いていないと感じる。コンピュータを大型化し、処理できるデータ量を増やし、かつては数十キロだったメッシュも今では2キロまで細かくなっている。
一方で数値予報の元となるラジオゾンデによる高層気象観測は1日2回日本全国16カ所で行われているにすぎない。こちらのメッシュは150キロのままなのである。
もっと心許ないのは日本周辺の気象観測である。大気は1日数百キロ移動するから2、3日後の天気や週間天気予報の元データは日本のものではない。南アジアや中国などの気象データを元に計算することになるが、これらの地域の高層観測値は非常に少ない。国によっては観測が1カ所も行われていない国もある。
日本は依然として結構な額の国際援助をしているのだから、どうせなら気象観測の援助をすれば、日本の天気予報が当たるようになるという直接的な見返りが期待できる。
しかし、そんなことを考えている政治家や官僚もいないだろう。外交も日本国民の税金が元手である。中国や韓国を刺激するようなまずい外交ではなく、日本国民に少しは恩恵があるようなお金の使い方を考えて欲しい。