かつての気象庁の幹部はほんとに優秀だったと思う。世界で例を見ない事業に果敢に挑戦し、実現した。富士山レーダーとアメダスである。
富士山レーダーによって800キロ先までの雨雲が観測できるようになって台風観測にも大きく貢献したし、アメダスによって集中豪雨の動きがとらえられるようになった。富士山での気象観測も多数の地点での観測網もどちらも元になったのは民間の篤志家だったから、そうした人々のアイデアと努力に乗っかった面はある。富士山レーダーは現在は撤去され、アメダスの観測点は重要性の高い山岳部の観測点から廃止され、現在は微減の状態である。
代わりにウインドプロファイラーなど複雑で高価な観測機器を導入しているが効果は上がっているように見えない。
電波を使った雷観測も装置は導入されたが航空特別会計を使って空港に設置されたため、一般に情報は公開されていない。見せてもらったことがあるが、民間気象会社のフランクリン・ジャパンの雷観測データにかなり劣っていた。機種選定を誤った上に航空レーダーの干渉を受けて感度が上げられないらしい。